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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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サイトを初めて早1年と3カ月、今までにそのHPを見てメールをくださり、店にやってくることになったお客様もいる。福岡から、岡山から、岐阜から、もちろん近隣・大阪や神戸から……それ程多くはないが、ちゃんとメールでやり取りして相手のことも知り、対面が実現する。しかし不思議な感じだ。ただ、所謂出会い系サイトのように、どこか別の場所で会うというのは違う。「志賀」があって成立するわけで、雑誌媒体に載せるストレートな宣伝効果よりかなり遠回しだけれど、店のスタンスは今も変わらないでいる。

そもそも、僕のサイトにいきなり飛び込んできて、そのまま読者になったという奇特な人は非常に少ないと思う。例えば「神戸製鋼」で検索して見つけたとか「大畑大介」でヒットしたとか、本来見ようとしたサイトとは違うところから紛れ込むケースしか考えられない。ちなみに「バー志賀」とYahoo検索でアクセスすると、やはり相変わらず長野?方面のペンションにある「バー志賀」がトップで、なんと2番目に僕のサイトが引っかかる。つまりは、以前書いたプロレス団体NOAHの「アックスボン【バー志賀】賢太郎」をその下に追いやることになった。素晴らしい!(「王様のレストラン」松本幸四郎風に)

そんな中、火曜には秋田から来られたお客様もあった。ただ、今回変わっていたのは、お客様でもありオーセンティックなブレーンでもある、建築オフィス・ジュンアソシエイツ小川氏のサイトからのリンクがきっかけのお客様であった。「生志賀」とのご対面である。そして、僕とお客様との関係について理解しやすい、ある話をした。それはこんな話……。

『 その方は、いつものように同じ酒を飲むが、唯一違ったことと言えば「明るくない」ということだった。そして、いざ帰るという時間になり、お客様はカードキーをカウンターに差し出した。「僕の会社が倒産したんだ、もう神戸を出なくちゃならない」そう言って、表札と同じ字で「志賀」と書かれたカードを返したのだ。僕はすぐさまこう言った。

「いつか、神戸に来られるときのために持っていてください 続けますから、この店を」顔をくしゃくしゃにしながらそのお客様は店を後にした………。

そして4年の月日が流れ、つい先日そのお客様は神戸に、この店に帰ってきた。

「大阪で小さな会社を始めたんだよ またこのカードキー使えて良かった…」

それ以上の言葉は要らなかった。今でもその時のお客様の笑顔を覚えている 』

子供の頃に遊んでもらったおじさんや、小学校の頃通った駄菓子屋、社会人になって初めて贅沢したレストラン……そんな人や場所が今はどうしているのか、どこに行ってしまったのか分からない、なんてことは誰にでも一つや二つあるはずだろう。「志賀」はいつもここにいたい。僕の思う顧客とは、高いお酒を飲んだり、毎日のように来てくれたり、大勢で押し寄せる人のことではない。「変わらない、あの頃と同じ空気」を嬉しく思ってくれる人達のことである。

好きな言葉、「いつか、また」……それがお客様と僕のスタンスだ。


※新コーナー予告!!加納町 志賀『たまに吐くならこんな店』
【これは実は「志賀自賛」コーナーに使ってる言い回しだが、『ちょっとイイ話』はベタだし『独り言コーナー』は寒い 『志賀の知恵袋』そんな知恵はない 『吐く』とは、言い放つこともあれば、告白も白状もある 色々物申したい……】


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