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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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世間ではお盆休み、再開した「志賀」ではあるが、静かに時間が過ぎてゆく。あまりに暇でそろそろ帰ろうか、と思った深夜、ある男性が一人やってきた。まだ学生だった19の時に、彼とは向かいの玉撞き屋で知り合った。今から7年前、震災の年、僕の店がここ神戸・三宮に一歩を踏み出した頃だ。

岡山の大学に通いながら、両親が経営するジャズバーでバイトをしていて、閉店後は必ずと言っていいほど朝まで向かいの「かのう3ビリヤード」にやって来た。人一倍の負けん気と運の強さ、ギャンブルに向いた性格をしていた。実際、「玉」の腕もあったが、負けても向かってくる、今時の若者にしては少ないタイプで、僕は彼と玉を撞くのが楽しかった。自然と毎日のように僕も玉撞き屋に顔を出したものだった。

その彼が、久しぶりにやってきて見せてくれた写真。そこには先月生まれたばかりの赤ん坊が写ってる。もう彼も夫であり、父親にもなった。学生時代の刺々しさは形を潜めた感があるが、確かに彼の表情は大人になった。

相も変わらず使い古した言葉ではあるが、ここにいる限り僕はそれぞれのドラマを観ることが出来る。 この場所で僕は、自分のこれから起こりうるドラマのことは想像もし得ないくせに、人の成長、前よりいい表情なのか……なんてことまで判る。彼は、いい男になっていた。

静けさと記憶は密接に関係しているものである。行列の出来る店には解るまい。


※志賀私的伝言板
【昨日書いたテレビの件ですが、残念ながら関西だけだと思います(多分)】


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