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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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19日の日記「アナタ変わりはないですか?」に書いたボケ封じの歯医者さんにまた行く。「お変わりないですか?」と聞かれるかと思いきや「どうですかぁ?」と来たもんだから、もう僕のボケは蔑ろにされていた。

右の奥歯を抜いたせいで、その隣が少し痛む。麻酔注射を打たれたときに「痛くないですか?」と聞かれるが、口を開けたままなので「うぅ…」と声を出すしかない。歯医者ってのは、なんかコントみたいなところがあって、「痛かったらイタイって言ってくださいねぇ〜」「うぅ…イ・ハ・イ〜」「位牌じゃないですよぉ〜、痛いですよぉ〜」なんてことが繰り返されそうである。

その虫歯を見るためにまずレントゲンを撮る。望遠鏡のようなレンズを頬にあてて撮るもので、もうここで何度か経験がある。「動かないで」と言われるわけだから、僕は直視するしかなく、壁を眺める。なるほど、泣き叫ぶ子供をなだめるかの如く、壁にはアンパンマンのキャラクターが貼ってある。アンパンマンと、バイキンマン?とドキンちゃん?だと記憶している。

が、しかし、But…いつもあるはずのアンパンマンがいない。セロテープか何かで貼り付けてあったのだろうが壁にはいなかったので、余計なお節介かもしれないが診察台に戻ったときに「アンパンマンどこかにいってました」と先生に伝えた。「それはそれはありがとう」とウィットを持ち合わせている先生は答えてくれる。そして、最初の麻酔注射を打たれ「5分間お待ちください」と、僕を一人残して先生は隣の診療に、その場を離れた。

少し目をつぶる。麻酔が効いたわけではないが、昨今寝不足の僕には心地よい。すると「あのぉ〜」と女性の声がする。歯科技工士?らしき女性が立っている。そして、僕の左手に手がスッポリ入るアンパンマン・腕人形(指ではないから腕人形、バロム1に出てたのはウデゲルゲ)を渡された。間もなく先生が来て「志賀さん、痛かったらそいつを横に振ってください…大丈夫なら頷かせてくださいねぇ〜」とまともに言われる。

38歳、加納町 志賀が左手にアンパンマン、このギャップに先生も歯科技工士さんも笑っていたが、僕は痛みを堪えて笑えない。子供だましじゃねぇーか!と思っていても、左手は正直である。高く掲げたアンパンマンは笑いながら、僕にアンパンチを食らわせたようだ。

元気・勇気100倍とはいかないものである。


※志賀私的伝言板
【昨日の日記「エッセイ風でございます」と、いつもの日記とどこがどうちがうの?という疑問の声があった その通り、僕のはエッセイでもありコラムでもあり、小説になったり自由自在だ 実は日記ではない、ということだけは言える】


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