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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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南條賢太という奴は、平成12年5月2日、当時のキャプテン増保に連れられて僕の店に来た。デカイのはもちろんだが、やたら「すいません」を連発する男に思えた。おそらく、先輩に連れてこられて、その先輩より更に年上の、大昔ラグビーをやっていた店の男に、精一杯の敬意を払っていたのだろう。

南條賢太という奴は、それから夏に一度来た以来、平成13年1月25日、苑田と平尾剛史と数名の女性を連れて店に来た。最初は所謂合コンで、その辺の若い子と同じノリなのかと思いもしたが「最終電車がもうなくなるから…」と、本当は男性の車で送ってくれるのならもっと居てもいいよ、という逆アピールをする女の子に対し「お疲れさん!気を付けて帰りや」と一言、またラグビーの真剣な話を始めた彼等を見た。こいつらは、少し違うな、と僕は感じていた。

南條賢太という奴は、平成13年12月22日、初めて一人でやって来た。できることなら、弟と呼ぶには平尾剛史や大畑大介と公言したいが、この目の前にいるゴツイ顔の男が弟のように思えて、色んな話をした。

南條賢太という奴は、ゴツイ顔にも関わらず、小さな顔で可愛い彼女を連れてきた。二人は、目の前でたまに口論することもあった。喧嘩するほど仲がいいと言うものの、少しこちらがヤキモキすることもあった。

南條賢太という奴は、寮の部屋に招いてくれたこともあった。そこで悩みを聞いているときに、彼女からの電話が鳴り、喧嘩が始まった。僕の存在を意識しながら彼は、僕の存在を知らない電話の向こうの彼女をなだめていた。僕をも気遣う、彼の優しさが痛々しいくらい感じられた。もちろん彼女への愛情も見せつけられた思いがした。羨ましい気持ちで一杯になった。

南條賢太という奴は、やはり28日の金曜夜一人で店に来た。また色々あれこれ話してきた。緊張なのか、不安なのか「ふぅーっ」と息をつく。かと思えば、時折ボーッと遠くを見る。「明日なんやなぁ……」そう言う彼に、僕は「今の君は運動会の短距離走を走る前みたいなもんや。スタートしたら、スゥーッと知らぬ間に時間が過ぎていくよ。俺なんか、スタートラインにも立ててないがな」と自分を犠牲にして、励ましに掛かっていた。彼は、また一息ついた。

そして南條賢太という奴は、今日29日結婚する。僕にそれは解るはずもないのだけれど、少し親のような気持ちで、結婚という一大イベントを迎える彼等の姿を、最後までちゃんと見られるか今から心配になっている。感動的な映画に足を運ぶように、やはりサングラスとハンカチは持って行くつもりでいる。


※志賀私的伝言板
【志賀敏哉という奴は……二次会の「フィーリングカップル」を密かに期待している偽善者である、おほほ、どうなることやら…】


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