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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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言わずと知れたワールドカップサッカーは、日本が負けて韓国が勝った。日韓共同開催の面目は充分すぎるくらいに保ってはいるが、日本が負けたからでもなかろうに、神戸三宮の街は静寂の様相である。お客様はもう来ないだろうと、深夜の店でエスプレッソを入れる。ダークローストの香りが店一杯に溢れている。もう少しフィールドで観たかった、イタリア代表に敬意を表しながら……。

イタリア代表と言えば、確かに男前揃いであるが、Steelers南條賢太がナイジェリアに行けば違和感の無いように、考えると向こうに行けばみんな「あんな顔」なのでは無かろうか。残念ながら僕はイタリアに行ったこともないので、確信もないのだがなぜかそんな気がする。例えば、僕がセネガルに行くとする。「えらモテ(とてつもなくモテること。あぁ、今以上にね!)」かも知れない。つまり、国民性は美的感覚の違いにも反映されるはずである。

日本ラグビーの顔、一般に確かに「男前」の平尾誠二氏(僕の二つ年上)が昔、僕にこんなことを言ったことがある。今思えば僕は、愚問だったと思うが「平尾さんっていつも冷静やけど、周りに特別扱いされたり、カッコイイなんて言われたりしてしんどい時ってないですか?」と聞くと、彼の答えは痛快だった。

「日本という国がそうなだけや。サウジアラビア行ったら、みんなこんな顔やで」

軽く流されたが、あながち遠い答えではないと思う。有名人・著名人と呼ばれる人達は、それぞれ各々の世界を持ち、周りに押しつぶされない術を備えているものである。世の中にはステイタスの高い人や、著名人を持ち上げてしまう性質の人種が存在するのは事実だ。それは、甘いモノに群がるアリ、いい時に集まってくる者だと言い切れる。そんな奴には、アイデンティティは存在しない。

有名人と言えば、巷には「有名人の通う店」という触れ込みで、お客様を呼ぶ店が存在する。しかしそのほとんどが「通う」ではなく「来たことがある」だけである。通うのなら気心知れているわけだから、サインはおろか一緒に取った写真で今時「Vサイン」の必要もなかろう。そんな店にはこっちから、僕のサイン色紙を置いていってやりたいものだ。いらんか。

なんて言いながら、こんな辺鄙な場所の「志賀」にもそれなりに有名人は来る。しかし、それは「たまたま」の来店であり、それをイチイチ売りにしていけば、お客様は増えるものの確実に当の本人は来なくなる。その都度「あの○○さん連れてきてくれないかなぁ」と頭を下げて永遠に著名人を呼び続ける店は、奇妙な店だ。本末転倒、店とは呼べない。そんな場所は演芸場(死語か?)かグランド花月にでもすればいい。

僕が店にいる間は、大抵の有名人にでも平静を保つことが出来る。それが芸能人であれ、スポーツ選手であれ、一般人(変な言葉だな)であれ、最初の態度は一貫している。基本的に、年上であろうが年下であろうが横柄な人はだめだな。人としてそれは可笑しい。店のカウンターというものは良くできていて、それがお客様と僕の境界線として機能する。デイヴィッド・ベッカムが来ても、おそらく舞い上がらないと思うが、ユニフォームで来たなら少しウットリすると思う…。

実はただ一度だけ、僕はドキドキしたことがある。今から4年前のこと、それが昨日の伝言板に書いた「日比野克彦氏」であった。僕も曲がりなりにも、アーティスティックな世界に身を置いている。酒を作ること、氷を削ること、デザインワークもそうである。初対面は感動した。2回目は、まだお客様だった。それ以降は、共感を覚える人にまでなった。謙虚でありながら、自分の言葉を伝える術を持つ日比野さんに会う度に、変わらない自分であれ、と思う。もちろん、サインなどもらっていない。いつかまた会える人だと思うからだ。

でも、クレア・フォラーニなら間違いなく握手して、サインもらって、写真撮って、キス、抱擁(死語)……あり得ない話ほどあほらしいものはないな。


※志賀私的伝言板
【Beber(北野にあるクラブ、踊る方ね)のノリくんが来た なんでも9月にイベントがあるらしい 僕は利用されるのが嫌いだが、僕を認めた上で僕に頭を下げてくれる彼を大切に思う よって彼が仕切る9月のイベントは協力しようと思う 僕に近い面々(ブレーン)は、チケット購入に一役お願いするから、覚悟してくれたまえ 大丈夫、いいイベントだよ】


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