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■ 中毒性日記 2002
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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朝、車を家へと走らせる。住宅地の一郭に、着物の若い女性を見送る母親と祖母と思われる家族に出会う。今日は成人式だ。僕は赤い目とかすれた声を少し気にしながらハンドルを握る。ほんの数時間前の余韻に浸りながら…。

1月13日社会人ラグビー決勝。快晴無風のこの日、神戸製鋼は負けた。前半、増保の受けたアーリータックルに悪い予感を感じ、吉田明の脳震とう、ミラーのシンビン(10分退場)は確実に神戸の歯車を狂わせる。「祝勝会を店でやろう!」とみんなと約束していた僕は、スタンドで閉会式を見守り、誰にも声を掛けず連絡もせずに花園をあとにした。今日は日曜、元々店は休みの日である。店で一人、静かに飲むのもいい…。

神戸製鋼はその後芦屋の宿舎に戻り「慰労会?」を行う。店に着いた僕は、いくつか携帯に来た「残念だったね」メールに返事を書きながらボーッと過ごす。そこに電話が入る。Steelersの南條賢太からだ。

「9時半くらいに行きます。むちゃくちゃ多いと思いますよ」

店には人がひしめき合う。カウンターの中には、僕と共にバーテン?として、小村・増保・吉田・南條・苑田・大畑・林が入れ替わり立ち替わり入っている。そして見る見る酒が無くなっていく。アンディー(ミラー)が「ビール!ビール!」と叫んでいるので、苑田がコンビニに酒を買い出しに行く御法度まで飛び出す。50名ほどの人間が、席数20の店で騒いでる。僕もトコトン飲み、動き、騒ぎ、声が嗄れるまで「俺を幸せにしろ」とおおよそ彼らと関係のないことを叫び続ける。「おっさんは無理!」と小村・増保に突っ込まれながらも僕は、十二分に幸せだった。

「負けた日にこれだけ騒げる店は少ないよ」とフランカー小村が言ってくれた。12日深夜、張りつめた緊張を綴ったメールを送ってきたセンター吉田明も笑ってる。顔面亀裂骨折で出られなかった試合に悔しい思いをし、日本選手権への再起・リベンジを誓うセンター元木。途中交代、勝てなかった試合に「隙間無く満席となったお客さんに申し訳ない」とプロップ中道。そしてこの中道が、店の外でこんなことを言っていたと南條から聞いた…。

若手のロック林(慶)は、酔いが廻って店の外に出た。店の中はただでさえ人で一杯だから、余計に気持ち悪くなったのだろう。同じく外にいた中道・南條の前で彼は突然「悔しい、悔しい」と泣き崩れてしまった。それを見た中道は

「お前、酒の力でそんなこと言うのは卑怯やぞ」と言った。

一人になれば悔しさでたまらないはずの彼ら。それでもどの顔も笑ってたのは、もう次を見ているのだろう。熟練の強みは、経験と気持ちの切り替えだ。反省こそはすれども、その視線の先は日本選手権に向けられている。

やはり奴らは僕が心配するには及ばない、簡単には懲りない面々であった。


志賀History「H」
『H goal』dラグビーのゴールポストのことを、その形からそう呼んだ(今でも?) 僕のラグビーの歴史は2歳になる前、京大農学部グランドで楕円形のボールを持っている写真が最初だ(割に、平凡な選手だったな)

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