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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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忘年会やら何かと忙しい師走に入りはしたものの、嵐の前の静けさと言うべきか僕の店だけは別で、週末とは思えない空気を発する。サッカーワールドカップ予選の抽選ニュースを、玉突き屋で見ている僕はもう少し危機感を感じた方がいいのかもしれないな。

土曜に知人の奥様とその子供達と一緒に、MACを買うと言うのでハーバーランドへ同行する。マックコーナーが少し見にくくなったソフマップで買い物をすると、カフェでお茶をする。ケーキを頬張る子供達と、落ち着かないお母さんの微笑ましい光景に、僕はコーヒーを飲みながら笑っている。周りはカップルや女性客が多い。おそらく僕達は一家族で、僕は見た目は若い「何故ここでサングラスなんだ!このお父さんは?」と思われているに違いない。それも楽しかった。

大阪のこのチェーン店に、以前女の子と来たことがある。パイが有名なケーキ屋さんで、もう一つの売りを目にすることが出来る。クレープシュゼットのような演出ではない。ケーキにはやはり紅茶が多いが、アイスティーの入れ方に特長があって、その入れ方には暫し人の視線が向けられる。

ギャルソンは蝶ネクタイとサロンを身に纏い、手際よく僕達の前に立った。シェリー樽から汲み取った柄杓からグラスへ、徐々に下から高い位置に上げてゆき液体を流す様のごとく、氷の一杯入ったゴブレットへティーサーバーに入った熱い紅茶を、最後には肩口から真上に伸ばした手から注ぎ落とす。アイスティーの出来上がりだ。確かにこの演出は嬉しい。やはり僕達の視線は釘付けであった。
しかしその時……。

一瞬の躊躇からか、はたまた風体はプロに見えるが新人だったのか、熱いティーサーバーから注がれたその液体は、天井に向けて思いっきり伸ばした右手から、グラスを持った彼の左手を大いに濡らす。「熱っ!」小声ながらもはっきりと聞こえたその声と共に彼は、そのまま厨房にその姿勢のまま去っていった……。

トレーに乗って何の変哲もなく出てきたアイスティーを飲む彼女、それを見ながら笑っていた僕のその顔は、明らかに今ここで子供達を見て微笑む顔とは根本的に違っていたはずだ。そう、バカ笑いだった。


諺・志賀語録「し」
『勝負師の肩に触るな』d同じく三宮でバー「サードロー(ラグビーFWの第三列の意)」を営む、大学の先輩、金村氏がよく言う言葉 怖い話をし出すと「ややこしい話をするな!」と言いながら聞く耳を持たないお茶目な「赤井英和」似の頼れる先輩である
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