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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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しかし寒い。底冷えを感じたら、僕の店では石油ファンヒーターの出番だ。灯油の臭いは、冬の到来を分かり易く告げてくれる。お客様のいない今、益々寒さがつのります。♪着てはもらえぬセーターを、寒さこらえて編んでます……それは気持ち悪いが、本当に編めそうなくらい静かだ。

月曜、京都からの帰り名神西宮で下りた僕は、知人を訪ねようと電話をする。生憎、先方はそこには居なかったので国道を三宮に向かう。ふと考えた。日曜に試合があった神戸製鋼ラグビーはみんな休みのはずだ。途中、寮を訪ねることにした。しかし夕方のこの時間に奴らはいるのか?手ぶらでは何なので、寮の向かいのスーパーに買い物に行く。

スーパーには入り口付近に果物が一杯だ。待てよ?寮に誰もいなかったらどうしよう。怪我でいるはずの選手に電話を掛ける。出ない。みんな仕事なのだろうか。スーパーを出ようとすると、見覚えのあるおかっぱスクラムハーフ、ソンこと苑田が立っていた。(個人的には、苑田は風呂上がりヘアーがいいと思う)
「志賀さん、何でこんなところにいるんですか?観察してしまいましたよ」

寮には何人かの選手がいるという。コンビニ行って、近くの喫茶店でご飯を食べる苑田に聞いて僕は、不法侵入を計る。独身寮は華やかなラグビー集団のイメージとはかけ離れていて、まるで要塞だ。暗く、全体の動線が分かりにくく、大学時代の合宿所を思い出させる。廊下にはラグビーの洗濯物が所狭しと干してあり、ドアにはアイドル歌手(最近こうは言わんな)や女優の写真が貼ってある奴もいる。扉をたたく。南條、平尾を起こしてしまった。それ以外は見あたらず、全部のドアをたたくのも間抜けなので退散することにした。しかし、それも寂しい。ホワイトボードの宅急便欄に「志賀でございます」と書いて要塞を脱出した。

苑田のいる喫茶店に行くと、彼はいきなり僕に「Kansai Walker」の表紙を見せる。「何?この子タイプなん?」なっちゃん・田中麗奈が笑ってる。「違います。ここ、ここ」指さす先は「クリスマス特集」の見出し。「おっ!ええ子でも出来たんかいな!!」くそーっ、先を越された、と僕はちょっと悔しがりながら言う。「相手が出来たときのための予習です」……。

チケットが2枚ある試写会、しかも「ハリー・ポッター」に僕を誘おうとした苑田。『俺を幸せにしろ!』の前にこいつに幸せになってもらいたい。要塞から帰還した僕は、心からそう思いながら次の任務に西へ向かったのだった。(つづく)


諺・志賀語録「け」
『賢者の意志』:「ハリー・ポッター〜賢者の石〜」を男二人で行かなかったことは、利口というものだろう
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