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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
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昨日の日記で文末に書いたように、マクドナルドについて思い出したことがある。

「ご一緒にポテトは…」に代表されるように、これらの店は「マニュアル」がある。これを嫌がる人がいるが、この確固たるマニュアルが存在するから「安心」なわけで、もし「はい、バリューセットですね。あぁ、汗かいてますね。おしぼりをどうぞ。ついでに拭いて差しあげましょう。ご一緒にマッサージはいかがですか?と言っても、私と一緒に、というわけではないですよ。うふっ♪」なんて店があったら、ファーストフード文化は受け入れられなかっただろう。

大学に入り、僕はアルバイトをした。所謂ディスコやカフェバー、料理屋。植木のリース配達。ホテルの配膳。服の販売員(当時で言うハウスマヌカン)。そして、マクドナルド。と言っても、夜間清掃員という、店が終了してから朝までの掃除係だ。当時の時給で850円。今で言うと5千円くらい……それはないが、高給と言っていい。慣れるまではかなりハードだったが、要領を得ればこっちのもの。午後10時半から朝の5時までの拘束でも、実働3〜4時間で片づくようになる。マネージャーの突然の来訪チェックもあったりしたが、そこは上手くしのいだ。基本は2人一組だが、夜中にバイト仲間が遊びに来たりして、あっという間に掃除を終えた日もあった。フロアに水をまいてモップを掛けた後、乾くまでの間は寝ている者もいた。仕事をほとんど片付けて、余った時間は事務所で費やした。僕はよく「マクドナルドマニュアルビデオ」を見たものだ。

アメリカ本国のもので(日本語吹き替え版)10巻くらいはあった。多分ボブおじさんだったと思うが、その人が主人公で、まずは清掃マニュアルから始まり、ハンバーガーの作り方やポテトの揚げ方などを教える。フィレオフィッシュに至っては、注射のでっかいやつみたいなものでタルタルソースをバンズ(パン)の中央に落とす様を見せる。中央をはずすと×マークが出る。よく聞く「ツーチーズバーガー、ワンポテトM入ります」「ツーチーズバーガー、ワンポテトMサンキュー」という注文の掛け合いがそこにもしっかりあった。

僕らバイトは午後10時半から掃除を始める。そこは11時閉店だったから、たまにお客様と遭遇することもあった。その日、閉店間際に来たお婆さん。僕は厨房掃除担当の日だったので、出来るだけ表に見えないようにしながら働く。少しでも早く終わって、休みたいからだ。誰かにテイクアウトを頼まれたのか、この場所には違和感のあるお婆さんは、ゆっくり考えてこう言った。

「ビックリマックください」

確かに大きいそれは「びっくりマック」だ。「ビックリマックサンキュー」と僕は言おうとしたが、夜間清掃員にはその権利はない。カウンターの女の子は「ビックマックですね。ビックマック入りま〜す」と、さすがマニュアル通り受け流した。マクドナルドは今でも日本に増殖する。会長・藤田田の「で〜ん」と腰の据わったマニュアルは今でも受け継がれているのだ。


志賀変語45
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