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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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7日の店。昨日の日記で岡野くんについて書いたものだから、11/3の会にも参加できなかったSteelers増保が対抗?して一人で来た。偶然サッカー馬鹿・永島もいて、しばらく話す。解説とは、伝えなければならないこととは…。彼が帰った後に何故か、この日あった「サッカー、イタリア代表VS日本代表」の話を増保とする。「グランドコンディションが、かなり悪かったよね。イタリア代表はあんな競技場でやったことあるのかいな」と。気が付けばいつものように、熱い話に事は及び語り合う。昨日のVISSELと同じく、彼も5時間いた。

今日は趣向を変えて、このコーナーにはふさわしくない文体を披露したい。「志賀さんの日記、もっとヒューマンな部分が見たいなぁ」と増保が言う。スポーツ選手にしては(失礼)かなり本を読んでいる彼が言った。よし、わかった。タイトルは表記の通り。官能までもないが、初めて僕のプライベートの深い部分をさらけ出す。お子様は読まない方がいい。では、いざ。



肌寒い立冬のこの日、僕は思いきって仕事をせずに、車を北に向けて走る。パワステオイルの減りが早い。かすかなハンドリングも、イギリスのハンドメイドのそいつは金切り声でだだをこねる。向かう先は、サッカーチームの練習試合だ。

試合は既に始まっていて金網越しに見る選手の姿は、今はもう昔のように走れない僕にしてみれば、少しの羨望と嫉妬心を抱かずに入られない。同じように彼らを見る子供達・大人……それぞれの思いは違えど、自分の今の生活に置き換えてみれば、それは「勇気」だったり「活力」だったりするのであろう。出来るなら彼らと駆け回りたいが、そうすることは「寂しい現実」に身を置くことに繋がりそうで、僕も他聞に漏れず彼らの姿を自分に投影しながら、やはり彼らにあっても恥ずかしくないだけの「自信」を持ってまた自分のフィールドに立つという現実に戻る。

寂しさではない。言い聞かせながら携帯を掛ける。向こうの声は、僕の来訪を快く受け止めてくれる。いつから会ってないのだろう。僕は、彼女に会いに行くためにそこから程近い家まで、2速までは充分に引っ張りながら「すぐに会いたい」気持ちを車に伝えた。彼女の好きなパティシエの作った焼き菓子を持って、僕はもうすぐそこまで来ていた。

彼女は玄関口まで迎えに来てくれた。目を見れば友情の喜びか、そこに愛はあるのか、僕達にはそのコンセンサスはすぐに理解できた。あの日の想い出と記憶が蘇る。気持ちは加速して、僕と彼女は時間を共有した。言葉よりも行動が全てだった。甘い時が極自然に流れた。幸せだった。

彼女がポツリと言う。「秘密があるの…」今までの甘いひとときを遮る、現実が冷たくも顔を見せようとしていた。出来ることなら聞きたくなかった。彼女には男がいるのか、今は独りではないと言うのか。僕にはもう2度と逢えないと…。「あの部屋に秘密があるの……」彼女は、細身の指で手招きをする。その奥にはとてつもない現実が待っていた。



「志賀しゃ〜ん、積み木があるの」2歳のももちゃんは子供部屋に入れてくれた。おかしいと思ったんや。子供が「秘密があるの」なんて言うはずないわなー。でもほんま聞こえたんや、まじで。小さい子にも秘密があるって、真剣に聞いたろうと思ったのに。積み木で、人間を作った。「人間ってのはね…」と僕が教えようとする。「ガシャ〜ン」と言いながらすぐつぶされた。
すんません、こんなオチで。


志賀変語40
『積み木』:子供の情操教育に一役買うツールとして、かなりグローバルである しかしまだ小さい子供、特にこのももちゃん2歳は、たった3個のパーツで「トンネル」や「お家」や「人間」と言ってのける そこにはもしかすると情報が溢れて技術(テクニック)に頼り、さも知ったかのようになっている、そんな大人達が忘れかけていた想像力(創造力)を思い出させてくれた気がする
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