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また雨が降る。雨の降る夜に、わざわざ来てくれるお客様達。有り難くも「あんたら行くとこ、ないんかいな?」なんて、来てくれたお客様に言ってる僕は何様なんだろう。それは、照れ隠しである。
昨日の昆布男(10/17日記参照)に続き、また今日も神戸Steelersキャプテン「サモアorフィジアン」(9/1・10/15日記参照)が来た。三宮に出てきて、食事会の後一人で…。店も終盤、たまたまカウンターで一緒になったバッテリー神野(6/22日記参照)と共に、盛り上がる午前3時。僕もスコッチをほんのすこっち、いや結構たくさん飲みながら話す(ちなみにこの禁断の駄洒落は神野が言ってしまった。)。初対面の2人がいい空気になっている。
基本的にこの店は、知った人がカップルで来ていたとしても、芸能人やスポーツ選手がいたとしても、声を掛けないのが礼儀だ。前者のカップルはどういう関係か分からない(知ってるなら別の話だが)、有名人を売りにしている店(赤茶けないように、ラップでくるんだ色紙を置いているような「いつから置いてるねん!」的な店)でもない。
もし男性2人で来ていて、隣に偶然女性2人がいたとしても、そこは「お嬢さん、ご一緒にいかがですか?」や「あちらのお客様からです」と酒を提供する店ではないことを認識している、そんなお客様のいる店なのだ。このお客様とあのお客様が話をしたら、とてもイイ話になるんじゃないか、感性に接点がありそうだ、なんて思ったときには、それをコーディネートするのが、バーに立つ人間の仕事だと思ってる。コーディネートはこうでねーと!
キャプテンがバッテリーカミーノにこう言った。「この店は、頑張ってるとか、今の自分がいい状態でないと来れないんだよね。そうじゃないときには、このおっさん、突っ込んでくるから」おっさんは余計であるが、その通りである。僕は、自分が大好きであるので、時として「頑張りすぎ」「気合い入れすぎ」「しゃべりすぎ」と言われたりする。でも、それが僕の「いい状態」である。今日の彼らも同じ。感性に共通項を見いだし、お互いの会話が飛び交うこの時間「こいつらも自分が好きなんだな」と感じた。
しばし時が流れ、僕は彼らを見送った。もう雨がやんでいた……。
志賀変語22
『マティーニ』:僕はマティーニの注文で「ちょっとマティーニ?」と言う、加納町のダジャレー男爵である
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