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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
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今はもう秋。誰もいない海。この季節、グルメさん(文末志賀死語参照)にはたまらない季節だろう。

それは、照明や店内のオペレーションチェックのための、件の深江からの帰り(9/15日記参照)。時間は8時を過ぎたところ、腹が減った。食事をするにも、すぐ下の階の中華ではさすがに寂しいので、車を三宮まで走らせる途中に見つけることにする。僕はそれ程開拓心が旺盛でもない(6/17日記のようなこともあるが)。しかし、自分にとって旨いものは解る。こうして、散策するのも一興だ。

祭日ではあったが、店を開けることになったので、時間も無かった。国道沿いにオレンジ色の大きな暖簾が見える。いつか、三宮の創作料理屋のオーナーが言っていたラーメン屋だ。この時間に食べることは全くと言っていいほど無いラーメンに少し抵抗はあったが、滅多に通らない道でもあったし入ることにする。慣れないことはするものではないな、ほんまそう思った…。

中は大きなコの字型のカウンター。人が数人立っている。流行ってる、そう思ったがすぐにそれはテレビのクルーだと解る。カメラの前のラーメンを前にする男性が見たことのあるアナウンサーだったからだ。帰りたい気持ちもあったが、仕方なく目に前に空いている席に滑り込む。

撮影が始まった。僕はカメラに入らないように俯いて器に集中する。幸いにも旨かったので、顔を上げることもなく助かった。離れたそこでは、あらかじめ決まっていた進行通り?隣の常連らしき男性にインタビューと店長にもコメントを。並行して他の客からの「替え玉ください」の効果的な声。この店は、博多ラーメン特有のスープを残して麺だけをお代わりすることができる店のようだ。後で、注文しようかどうか僕は迷っていた。

「あぁ、皆さん替え玉、どんどんいってますねぇ。じゃ、ここで聞いてみようかな。皆さんの中で、既に替え玉を頼んだ人〜」とんでもない質問が投げかけられた。「は〜い!」俯いた僕からも、たくさんの挙手が感じ取れる。そして、子供の頃の予防注射を待つように、さも必然的にドキドキさせる次の質問が。

「では、これから替え玉を頼もうと思ってる人〜!」

まだ食べ初めの僕は、無視して固まる。僕はどちらにも手を挙げない・顔も上げない、非協力的な一般人だった。しかし、カメラを意識して自分のペースを崩し、自分まで「替え玉」を演じたくないものだ。そうして、テレビ局のクルー達は帰っていった。麺が無くなり、冷め始めたスープを前にしながら僕は、やっと言えた……。

「替え玉お願いします。急ぎで!」


志賀死語100
『グルメさん』:グルメはフランス語、食通・美食家の意 そう言われる人達は、そうはいない ここで言う「グルメさん」とは、本来のグルメ達がメディアを通して言った・書き記したことを、さも自分の言葉のように使い、ガイドマニュアルブックを片手に食通を気取っている人のことである 「なんちゃってソムリエ」「博学に成りきれない雑学ハカセ」「実績のない評論家」も多い
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