www.bar-shiga.com
■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
ホーム >>>
9/04「店主不在の店」 バックナンバー >>>
僕の家、神戸塩屋からは海が見える。山に囲まれた京都生まれの僕にとって、海の近くに住むことへの深い想い…遠い昔からの憧憬と、仕事で一時住んだ三重県鳥羽そして沖縄県石垣島(5/18日記参照)への懐古が根底に脈々と流れている。海は、それだけを見ているとその良さは解りにくいもので、一枚の絵のようにそこに船があり、島があり、入り江の岩場や、防波堤があり…そうして海の美しさが理解できるものだ。

店は、その雰囲気と立つ人間と、そこに来るお客様が三位一体(文末志賀死語参照)となってバランスが良くなる。品揃えが多くても、内装にお金が掛かってるとか、高いグラスを一杯使ってるとか、下手すると料理が旨いだけでも何度も通おうとは思えない。雑誌の写真で見るとカッコイイ店でも、行ってみると何か物足りなかったりするものだ。ただフォローするわけではないけれど、前評判のいい映画のようなもので「行ってみるとそれほどではない」という印象を与えることは、多少仕方ない部分ではある。映画は二度目で気付くこともあるから、二度と行きたくないと思わなければもう一度行ってみるのも一興だ。しかし話題として珍しい動物や、魚が泳いでるのはちょっと違う。ロケーションがいいことも魅力のひとつだが、それを売りにするのなら、店の人間は誰がいてもいい。

3日に来たお客様からこんな話を聞いた。とある和食を食べさせる店。写真で見て行こうと決めた。アプローチ・エントランスもいい感じではある。出されるものも、酒の種類も、器も、サービスも料金も及第点であった。しかし何か物足りない。また行こうと思える何かが。お客様はこう言った。「家の主がいない家みたいだった」と。

店をオーナーに任されて店長としてやってる人がいる。その中には、プライドと自信と、店に対する愛情を持ってる人もいる。それがオーナーの意志を踏襲して、危機感を持ちながらやっていくことに繋がっていくのならいい。会社も、スポーツのチームも同じことが言える。海だけを見ていると、その素晴らしさが見えないように、店もまた色んな要素が相まってひとつのバランスある空間を創り出す。ここまで書くと「じゃあ、志賀はそれが出来ているのか?」と言われそうだが、それは大きな声では言えない。なぜなら、この日記のきっかけとなったお客様が店に来られた時には、張り紙をして玉突き(ビリヤード)をしていた。まさに「家の主がいない家みたいだった」のだから……。


志賀死語92
『三位一体』:今でもあるようだが、コンビニなどに「サンミー」なる菓子パンをご存知か チョコとクリーム、ビスケット生地 これが三位一体だからこの名前らしい 甘いモノなんてほとんど子供しか食べないだろうに、なんて深い名を付けるんだろう 考えたら「サンミー」は「三味」と「三位」をかけてるのか やっぱり深い…
Copyright@Toshiya Shiga. All Rights Reserved.
Send Mail to Shiga