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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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盆休みは一般に終わっているはずの週末。しかしまだこの街、三宮は静かだ。土曜日にBBQのお誘いがあったが中止となり、いまだこの夏僕は海のイベントらしきものには参加していない。そう、プールにも行ってない…。

神戸六甲アイランドにその昔「AOIAスーパーウーパー」という娯楽施設があった。そこはゲームセンターや、流れるプールとチューブタイプの長い滑り台を備えたアミューズメントパーク。当時のナウなヤング(文末志賀死語67参照)には格好のデートスポットだった。お付き合いしていた女性とその夏、20代後半の僕はちょっと恥ずかしい二人っきりのプールデートにドキドキしていた。

僕は元来、遊園地のスピード系乗り物が苦手だ。平たく言えばジェットコースター、なぜ人は(特に女性は)あんな物に金を出すのだろう。大学の近くに万博エキスポランドがあったので、昼の練習帰りにラグビー部の男4人で乗ったのが最初であるが、その時正直少し、ほんのすこーしチビッてしまった。次の日には大学中に「志賀はジェットコースターで漏らした」と話が大きくなっていたのを思い出す。

プールでは楽しいひとときが過ぎたのも束の間、やはり女の子は「滑り台行こうよ!」と言ってしまうもので…。僕は瞬間ドキッとしたが、いつもの空威張りというやつで階段を上がる。この滑り台は所謂いくつものチューブが交錯し、中には水が流れていて本格的にそびえ立っている。 上がるとそこには、大きめの半円(つまり、ゆっくり滑りながら空が見える)初心者向け〔青〕と、小さいチューブ(閉所、中には水があるため半ば拷問に近い)のスピードタイプ〔黒〕が幾つか存在する。彼女は楽しそうに「私はこっちで行くから、志賀さんはそっちでね」と僕に黒い方を勧め、勝手に流れていった。運動会の50メートル走、走る前の気持ちにも似た不安と緊張感が僕を襲う。係員の「どうぞ」の声に躊躇は隠せない状況であるが、後ろの人にも悪いので思い切ってその筒の中に入る。

終始顔にかかる水。凄いスピード。溺れそうになりながら「わしゃ、そうめんか!」と身を任せる。でもほんの数十秒で、今度はところてんの様に押し出されて浅いプールへ。既に下にいた彼女が笑ってる。初めて水につけられた赤ん坊のように、僕は「死ぬかと思ったわ〜!!」自然と口について出た。

問題はその後である。僕の次に出てきたところてんは、少し太めのおばさんであった。「死ぬかと思ったわ〜!!」と同じことを言っている。すぐに浅瀬から出ればいいものを、おばさんはまだそこから離れようとしない。「あー、怖かったわ〜ほんま。なー、お兄ちゃん」と僕に同意を求める。「そんなことより、おばちゃん!」僕がそう言おうとしたのだが……。

次に降りて来た若者のところてんは、この種の滑り台には理想的な仰向けの姿勢で飛び出してきた。そして彼女は、低空飛行のドロップキックを後頭部に見舞われることになる。

「あんた!死んだらどないすんのよー!!」

この夏、凄い剣幕の身勝手なおばちゃんに、笑いをこらえた僕がいた。


志賀死語77
『ヤング』:♪ナウなヤングにディスコティック ♪ジルバにツイスト、ブギウギ…(ダウンタウンブギウギバンド「カッコマン」より) 
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