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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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21日、夜は一時雨が降る。「志賀」のお客様は、満席をいやがるお客様が多いせいか週末が極端に暇だったり、この木曜日のように足下が悪い中、あえてやってくる人がいる。変な人達だ。でも僕が一番変だと思ってる、こんなやつおらんと自覚している…。

店も終盤に近づき「ベリエ」(旧居留地東端、京町筋にほど近いワインショップ)の達可氏、「バッテリーカフェ」(そごう東、磯上公園北側のカフェ)二日連続来店、神野くんの二人が残った。神野くんは、この時間に酒も入って益々うるさいくらいにヒートアップしている。達可氏は相変わらずマイペースだ。何やら、神野くんがこれからの展望・野望を熱弁している。この、すっとこどっこい(文末志賀死語33参照)な彼は憎めないやつだ。

僕が思うにこの二人は『オーナーでありながら、オーナーという言葉が似合わない』ように感じる。決して「走れー、走れー!」と言いながら自分は座ってビールを飲んでいるようなチームの監督でもなく、怒って熱くなっている若手社員に向かって「俺も昔はお前みたいに熱かったんや」と慰める上司でもなく、手広く色々やっていて世間から成功した人と言われ「君達も頑張れよ。俺も昔は大変やった」と苦労話を縦に、暗に自慢ばかりしている社長とも訳が違う。なぜなら、彼らは店に立ち、背中で教えて、働く人間と共に夢を見ることが出来る人だからだ。まだ数回しか会っていないけれど、僕は彼らに共感を覚える。お菓子屋さんパッパガッロ(東灘区、岡本)の拓ちゃんや木原くんみたいに、どこから見ても強面な彼らなら(ごめん!)初めから裏方や経営者としていればいいわけで、その点を知ってる彼らも立派だと思う。どちらにしても言えることは、中に入ろうが外から見ようが『それぞれの確固たるポスト=パーソナルという必要性が、絶対的にその店に存在する』ということだ。

大人になったら、若い時みたいに誰も点数の評価を下してくれない。基準がバラバラになることを恐れて、平均点で落ち着いて世間に紛れ、事なかれ主義や、みんなと同じ生き方をして、アイデンティティーがカメレオンのように都度変貌する人が大半だ(それはIDとは呼べないが)。社会に出る前、僕は学生時代にラグビーをやっていたおかげで、スポーツを経験したことのない人より得をしていることがある。ボールを持った巨漢の選手が自分の前にやってくる。逃げることは簡単だ。しかしそうなれば、ポジションを追われることとなる。レギュラーポジションを確保すべく、体を鍛えフィットネスを高め、スキルアップし試合に臨む。『自分の居場所を作る』ということは、そういうことだった。

前述の「走れー」と言う監督、「俺も昔は…」とくだらない慰めを言う上司、「君らも頑張れよ」と言う社長。この人達に居場所はあるのだろうか。言葉ではなく、自分の背中で語る人になっていればいいものを…。「君主と人民が同じ方向を向けば、百戦危うからず」と孫子も言っている。

というわけで、この夏、達可氏と共に「バッテリーカフェ・ビアテラスイベント」にギャルソンとして参加することになった。若いスタッフ達に混じって、彼らや始めて出会うお客様に、何か感じてもらえればと思う。僕は店とはまた違うポジションを見つけるだろう。(ちなみに報酬は腹一杯のまかないとお酒)僕のサービスをとくとご覧あれ!詳細は後日。


志賀死語33
『すっとこどっこい』:無理矢理使った感ありだが、これは江戸っ子弁か? 類似語?おっちょこちょい
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