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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
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朝の5時に淡路島から帰ってきた。別に旅行に行っていたわけではない。店が午前3時過ぎに終わって、食事を取りその足で淡路島まで行ってすぐに帰って来たのだ。小説が思いの外、皆さんに期待されているようなので驚いている。安直に展開するわけにもいかず、第三章に登場させたい明石大橋に説得力を持たせるためにもロケハンしてきた。そもそも、ジェームス山から見える明石海峡大橋が出来上がるまで毎日遠くから見てはいたが、僕は一度も渡ったことが無く、当然のごとく淡路島にも足を踏み入れたことが無い。

しかし一度、橋の途中で車を停めて、自宅の方向を眺めながら、物思いに耽る…、そんなことをしてみたかった。この時間に、一人で大橋を渡って、サービスエリアまで行き戻ってくる。こんな無意味で短時間の出来事に、そこはかとない(文末志賀死語24参照)ロマンを感じる。

三宮から20分ほどで、淡路に繋がる垂水ジャンクションに入る。ほとんど車は走っていない。ぐるぐる回ってトンネルへ。あまりの長さに、もしかすると海の下をくぐって気が付けば淡路、という何とも寂しいルートに迷い込んでしまったのでは?と錯覚する。トンネルを抜けると眼前にはいきなり明石海峡大橋だ。まずは、対岸までノンストップで走る。話には聞いていたが、やはりあっという間であった。渡りきるとサービスエリアがある。24時間対応で、食事は出来るようだ。人も結構この時間にしては多い。

一通り見た後、上りサービスエリア(神戸方面)へ。途中公園がある。夜が明けようとしていた。白んだ空を見上げながら何か記念を、と車越しに写真を撮る。公園の自動販売機を見ると、飲み物の他に淡路島名産竹ちくわ『たけやん』も売っている。一本130円。出てきたそれは、なんとも有難くない箱入りで、新神戸の『神戸プリン』くらいに「ほんまに名産なん?」と誰もいないこの公園の高台で、気を取り直してしばし景色に浸る。

帰りは、思いを遂げなければならない。車を橋の中腹、側道に停める。何人からか「あそこに停めるとすぐにパトカーが来る」とか「カメラがあって、マイクで『移動しなさい!』と言ってくる」とか教えられはしたが、午前4時ならば、とこの場所で僕は計画を実行に移す。件のロマンを感じながら物思いに耽るつもりが、車の下は隙間から鳴門の渦潮が遙か下界に見えて足がすくむ。しかし、車の背景に大橋の写真を撮りながら一人、開放感と達成感、そして脂肪肝を癒す?

橋を後に帰路に着きながら、こんな「無意味に見える、でも実はとても意味のある時間」を過ごせたことに朝の風がいっそう心地よかった。

料金所に着いて5200円を払うまでは…。


志賀死語24
『そこはかとない』:難しい。意味を説明するにも適当な言葉が浮かばないが、ニュアンスは解る。はんなりとそれでいて凛として、狂おしいほどに、そこはかとなく日本語は難しい…(あぁ、意味不明)
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