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■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
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梅雨入りして3日ほど経つ。そのはざまで、今日の日中はなんとかいい天気であった。雨が吹き込むときには、やはりバルコニーでは気の毒なので、リビングに昨日までいた「ベタ」…。店から帰ってきた夜中、僕は出来るだけテレビの音量を低くしていたし、キッチンでの音にも気を配っていた。何せ、起こしたり刺激したりしたら、ボディビルの大会なら間違いなく観客席から「ナイスポーズでぇーすっ!」と、屈強な男達から歓声を浴びるであろうほどの『角、おっ広げ、伏臥上体そらし、怒りのポーズ』で僕を威嚇するからだ。彼の視界に入らないように生活している僕は、はたして良い飼い主と言えるのか?彼との共存は意味のあるものなのか?人間のエゴで、不自然な生活を強いられているクワガタは「あー、良い人生(人ではないが)だったなぁー」としみじみ振り返ることが出来るのだろうか。考えたあげく僕は、彼を元の生活に帰そうと考えていた、そう自然のフィールドに…。

いつものように、木と蜜と、おがくずのベッド(最近グレードアップした)のある皿を、申し訳なさそうに覗く。彼は、明るい昼に珍しくおがくずの中にはいない。真上から見たせいか、僕に気が付かない。暫時、観察する。別れを惜しむしばしの間、僕は短いながらも数々のたわいもない、でもとても新鮮で楽しかった出来事を思い出す。マンションのロビーで拾い上げたこと、南條や女の子達が見に来てくれたこと、サイトを見てメールで「ベタ」の近況を気にしてくれた皆さんのこと、そして最後まで僕になつかなかったこと…。

太めの木の上で彼は何やらごそごそしている。どうも右の角について離れない大きめのおがくずが気になっているようで、右手?で取ろうとするのだけれど届かない。角を下げてうなだれている「ベタ」に僕は、愛おしさと最後のコミュニケーションをするかのごとく、思いっきりの優しさを込めてそれを取り去ってやる。すると、彼は今までにない、それはそれは感動の行動に出た!怒るどころかあのポーズもせず、恥ずかしそうに木の裏側に戻っていったのだ!!

小さな森に帰った「ベタ」。僕は、もう少し彼と生活を共にすることにした…。


志賀死語22
『Go!サイン』:ex. オーケー、この企画ばっちグー、ゴーサインだ!(うだつの上がらない課長風に)
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