www.bar-shiga.com
■ 中毒性日記 2001
志賀のひとりごと、日記に綴ってみました。
変態小説家
志賀による、「志賀」を舞台にした空想連載小説。
志賀自賛
志賀の、「志賀」にかけた想いのあれこれ。
年中ムキューっ
志賀、昼の顔。
The Right ? Staff
ホーム >>>
5/17 「悪友・永島」 バックナンバー >>>
あー、眠れない。店で飲んだ後、知らん間に家に着いていて、気が付けばソファーで30分ほどうとうととしてしまった。そうなるとこれがまたベッドに入っても、しばらくビデオを観ても目がぱっちり。何でこんな時間に(8:00am)僕はコーヒーを入れているんだろう。ワインが利いたか。やっぱり奴のせいだ…。奴は「永島」という、おそらくほとんどの人が知ってるであろう、最近引退したサッカー馬鹿だ(この表現は誉め言葉。そのスポーツを知らない人に熱く語って伝える人。そういう意味では神戸製鋼の萩本ヘッドコーチもそうだと思う)。

今や、吉本興業スポーツプロジェクトに所属し、サッカーで食っていける数少ない男だ。僕が大阪体育大学(ラグビー部)で同級のサッカー部にいた島田という奴が卒業後「ガンバ大阪」に行き、そこでチームメイトだった永島との出会いがあった。彼と僕は同じ歳(1964年生)で、4月生まれだからもう37歳。二人の子を持つ立派なお父さんでもある。くだらん親父ギャグは健在だ。それに対抗すべく、僕も普段飲まないワインをかっくらって応戦したのがいけなかった。変なライバル意識と認め合うコンセンサスが僕らには存在する。そういえば2年ほど前にも彼には一杯食わされたこんな話がある。小さな約束とプライドが僕をそうさせた…。

彼が現役当時、いつもの週末、店ではヴィッセル神戸のみんながわいわいやっていた。彼らは大概午前2時を過ぎてからやってくる。ところが、1時間も経たないうちに永島が帰ると言う。翌日朝から西区の練習グランドでイベントがあるらしく、当然チームの看板の彼は出る様子。(僕)「せっかくみんなで飲んでるんやから楽しめや!明日(正確には今日)のこと気にしてどないすんねん!!」(永島)「あほ、朝9時には行かなあかんねん。お前起きれるか、ぼけ!!」彼の家は御影なので、確かにグランドからは遠い。帰ればすぐにとんぼ返りのようなものだ。帰りたい気持ちは解る。(僕)「全然起きられるわ。ノープラモデルや!!(ノープロブレムの意、永島がよく使う)見に行ったる」(永島)「あかん、お前も走れ。スタイルや!」スタイルとは動ける格好でグランドに立つということ。かくして僕は朝、西区いぶきの森、ヴィッセル神戸のグランドに向かっていた。

2面あるグランドには人が一杯いるようだ。道路に溢れる車の数々。広報の方が案内してくれたヴィッセルの移動用バス。ウェアに着替える(といってもラグビースタイルだ)。別に僕が何かをするわけではないが、グランドで走るためにスパイクは履いている。何年ぶりかの緊張感が漲る。妙にドキドキした。芝生はかなりきれいだ。彼らは毎日こんな贅沢な絨毯で過ごしているのか。まぁ僕が毎日店で角瓶を抱えているようなものか?そしていよいよグランドに入る。いつも目にするVISSELのユニフォームに身を包んだ選手とコーチ陣。然し、このイベントは何だ!子供しかいない。子供サッカー教室ではないか!!永島が大笑いしてる「ほんまに来たんか!」

結局僕は当然やることもなく、同じくげらげら笑う監督や強化部長に呼ばれてグランドの中に入り、コートの外周をランニングしていた。途中子供が、僕もJリーガーに見えた?のか「ボール蹴ってください!」というのを無視しながら、サッカー関係者以外でこの芝生の上を走った最初の人間として…。

彼には変な勘があるのか?どうしようもなく僕が悩んでいるときや、店があまりに暇な日が続くと、ふらりとやってくる。かといって慰めるわけでもなく永島は、いつも僕に言う。「チームの調子が悪いときや、怪我してるときにやたら連絡してきたよなお前は。もうちょっと気ぃ使え!!」と笑いながら。いい状態・旬に集まってくる人間は、離れていくのも早いことを僕らは知っている。


志賀死語4
『アンビリーバンバン』:アンビリーバブル(信じられない)の意らしい。永島から伝授された親父ギャグ。
Copyright@Toshiya Shiga. All Rights Reserved.
Send Mail to Shiga